上石津 土間打ち体験イベント [古民家]
院生の榎本です。
去年の秋口あたりから色々と調整してきた上石津のイベントですが,
ようやく資料館の改修作業を体験するイベントの開催まで漕ぎ着けました。
白アリに足場をやられていた資料館の修復作業と平行して,
土間部分の改修作業を一般参加者も交えて行うことになりました。
イベントは,9月1日と2日の二日間に渡って行われました。
土間打ちイベントとは…
昔から古民家の土間を作る作業として知られる三和土(たたき)は,
土と石灰,にがりを加えて叩いて作ることからこう呼ばれています。
このようにして作られた土間は,必要に応じて新しいものに更新され,
古い土間は土壁など他の材料として再利用できます。
完全に自然に還る昔からの伝統的日本建築の技術を学び,
農村文化の一つを伝承してもらうことがこのイベントの目的です。
↑市役所の方と地元の業者さん,職人さんにイベントの説明をして頂きました
土間打ちの作業工程はおよそ三つに分けられます。
①土をふるいにかけて,粗い土と細かい土に分ける。
粗い土は木ごてで叩き,細かい土は仕上げ用に分けておく。
②木ごてで叩いた土を石灰と混ぜながら,にがりを加えていく。
くわなどを使って,均等に混ざるまでしっかり混ぜる。
③混ぜた土を土間打ち部分に均等にならし,木ごてで叩く。
更に強く押し固めるために,タコという道具を使って叩く。
一層目,二層目と叩き,仕上げの三層目を打って完成。
仕上げの層は金ごてを使って凹凸がなくなるように仕上げる。
↑工程1 土をふるいにかける
↑工程1 土を木ごてで叩く
↑工程2 土,石灰,にがりを混ぜる
↑工程3 ならした土を木ごてで叩く
↑工程3 三人でタコを使って更に押し固める
↑工程3 金ごてを使って仕上げをする
↑完成した土間。右が二層目,左が三層目
その他にも,資料館の外装を防腐剤入り塗料(自然成分由来)で塗装したり,
資料館の活用体験として,かまどでご飯を作り宿泊もしました。
非常に体力を使うハードな体験イベントではありましたが,
参加された皆さんも職人さんも笑顔いっぱいの楽しい二日間でした。
作業中は,昔の生活の様子や民家の建て方,地元の方の昔話など,
普段はなかなか聞けないお話をたくさん聞くことができました。
二日間のイベントは,地元の方なくしては成功しなかったものです。
地元の職人さん,行政関係者のみなさん,本当にありがとうございました!
そして,また素敵なイベントを企画したいと思います。
書き込み:榎本
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