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学校ビオトープ調査 in 秋津小学校 [ビオトープ]

院生の榎本です。
たいへん長い期間に渡って更新が滞っております。

今回は,5月18日に調査を行った千葉県習志野市にある
秋津小学校の学校ビオトープ活動についての報告です。

ことの発端は,2008年2月に名古屋市で行われた
ESDに関するフォーラムでした。
ここに秋津小学校の元校長先生が参加されており,
学校ビオトープの関係で知り合うことになりました。
秋津小学校への調査に関してお誘いを受けましたので,
ぜひ時間のあるうちにと思い,調査に伺いました。


習志野市立秋津小学校は,千葉県の西海岸に位置し,
沿岸の埋め立てによって出来た新興の造成地です。
そのため,地域の文化や伝統といったものがないことから,
小学校を核とした地域づくりは,地域にとっての重要課題でした。

その中でも,非常に個性的かつ先進的な取り組みの一つが,
小学校施設内に設置されているコミュニティルームです。

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↑秋津小学校区の住民が誰でも利用できるコミュニティルーム。


これは,全国の小学校で問題となっている空き教室の解消を図ると共に,
同時に地域住民の活動場所を小学校内に確保する取り組みです。
これによって,地域住民と学校関係者との接点が充分確保され,
非常に円滑な学社融合の場を作り出すことができているのです。


秋津小学校のビオトープづくりは,お父さん達の休日の新たな楽しみの場づくりから
徐々に発展を遂げて出来上がってきたものでした。
この辺りの経緯については,秋津小学校の元PTA会長である岸裕司さんの著書に
詳しく書かれていますが,非常に創造的な取り組みの積み重ねです。
ご近所の井戸掘り名人に知恵を借りて作った井戸は,地域の伝統「上総掘り」。
地域の様々な方の知恵を結集させて,生き生きとした小学校を作り上げています。

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↑上総掘りによって掘られた「ポレポレとんぼ井戸」。ビオトープの重要な水源です。


そして,何より素晴らしいのが,地域の人たちが持つ小学校への愛着の度合いです。
日中には,ビオトープの脇にある遊具を修理するお父さんたちの姿が見え,
まだ小学生にならない娘を連れて校庭を散歩するお父さんも見かけます。
ビオトープの池では,お母さんと子供たちが一緒に生き物を捕まえたり観察したり。
そして,コミュニティルームでは,サークル活動をする地元の方々や,
これからの運営の方向性について熱心に議論する地元の方々と先生の姿。
これが,義務や強制ではなく,個々人の思いややる気に導かれての姿であり,
全ては子供と地域のため,そして何より自分たちが楽しく過ごすため,という
とてもポジティブな思いで行われている活動なのです。

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↑学校ビオトープの周りで遊ぶ地元の方々。木陰にはお母さんたちの姿も。


秋津小学校については,既に詳細な調査が行われているわけですが,
単なる学校ビオトープ活動ではなく,地域全体と学校全体が交流しあう
総合的な活動がこのような住民の楽しみを生み出しているのではないか,
とこれからの研究の大きな刺激になった調査でした。

DSCF0532.jpg
↑学級園。地元のサークルが世話をする畑もあります。



書き込み:榎本
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