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かみいしづ古民家再生プロジェクト ブログ開設のお知らせ [古民家]

院生の榎本です。

これまで,当ブログにおいて活動報告を行っておりました
「かみいしづ古民家再生プロジェクト」を独立させ,
新しくブログを開設させていただくことになりました。

プロジェクト発足時からの記事を順にまとめておりましたので,
ここでご紹介させていただくのが大変遅くなってしまいました。
2007年度以前の全ての活動がブログに掲載されています。
また,2008年度の活動報告は順に掲載しております。

DSCF1087.jpg

今後は,当ブログではプロジェクトの活動報告は行いませんが,
研究室の取り組みに関わりのある場合にはこちらでもご紹介
させていただくこともあるかと思います。よろしくお願いします。


かみいしづ古民家再生プロジェクト ブログ
http://kayabuki.blog.shinobi.jp/


書き込み:榎本
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茅葺き屋根ミニチュアモデル作成 [古民家]

院生の榎本です。

1月26日に,古民家再生プロジェクトのイベントを行いました。
今回は,緑の村公園の民俗資料館を訪れた人たちに
「茅葺き屋根の断面」を見てもらうためのミニチュア作成です。
普段は簡単には見ることのできない屋根断面を知ってもらうことで,
茅葺き民家に対する関心を持ってもらおうというものです。

まずは,足場を組んで作業の準備です。
去年の12月に刈り取った茅(ススキ)を運び,
使いやすい長さに切り揃えます。


↑今回作業を行うミニチュアモデルは,120cm×180cmの屋根です。

切り揃えた茅を,屋根の端から順番に並べていきます。
このとき,屋根の勾配が一定の角度を保つよう,
茅の並べ方や長さの調整が重要になってきます。


↑まずは屋根の端に茅を並べ,屋根の勾配を決める「軒付け」をします。

今回のイベントは,スタッフも含め作業従事者が6名いたため,
茅を葺く作業をしない参加者は,「とっくり結び」と「男結び」を覚えます。
この結び方を使って,わらなわで茅を押さえて結びます。


↑みんなで「男結び」を練習しています。みんな,覚えたかな?

茅が一列並べられたら,上から竹で茅を押さえつけます。
この時,竹を結ぶわらなわを屋根の裏側に通して表に戻すのですが,
茅の厚みがあるため,手ではわらなわを裏側に通すことができません。
職人さんは,「針」というミシン針のような道具でわらなわを通し,
まるで屋根に茅を縫い付けるような作業を行っているのです。


↑「針」を使って屋根にわらなわを刺しているところです。

屋根裏では,屋根の構造材にしっかりわらなわが密着するよう,
うまく表側に指示を出して針を誘導しなければいけません。
このチームワークがあってこそ,作業が円滑に進むのです。


↑見にくいですが,手の少し左に針の先が出て来ています。

次は,表に戻ってきたわらなわで竹を結び,茅を押さえつけていきます。
ここでようやく,先ほど覚えた「男結び」が活躍するのです。
「とっくり結び」でしっかりと竹を押さえつけ,「男結び」で固定します。
参加者のみんなはしっかり「男結び」を覚えてくれましたが,
強く結ぶには,かなりの練習が必要になってくるそうです。


↑茅が落ちないよう,角度が変わらないようにしっかり押さえます。

次は,先端がぼさぼさの茅を「がぎ」という道具で叩き揃えていきます。
これは,屋根を流れる水がしっかりと下へ下へ落ちていくようにです。
叩きすぎて奥に入った茅は,手で引っ張り出して叩き揃え直します。


↑かなりしっかり叩いてもまだまだ入るくらいです。

そして,叩き揃えた茅の先端を,屋根用の剪定ばさみで刈り揃えます。
普通のはさみと違い,先端が少しだけ上に反り返っています。
屋根の内部を刈ってしまわないよう,屋根の勾配が作れるようにです。


↑職人さんの刈り込み速度は,真似できません。

出来上がったミニチュアモデルは,民俗資料館内部に運んで終了。
非常に寒く過酷な環境でのイベントではありましたが,
終始笑いが絶えず,屋根作りに没頭して楽しんでくれた参加者のみなさま,
丁寧に作業の方法や意味などを教えてくださった職人さん,
このような体験の場を提供してくださった大垣市役所のみなさん,
そしてイベントの様子を見に来てくださった地元の方々,
みなさんの協力あってこそのイベントだったと思います。ありがとうございました!



↑当日は,かまどを使っての炊き出しと餅つきも行いました。

書き込み:榎本


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茅バイト in 神戸市北区藍那 [古民家]

院生の榎本です。

またまた報告が大変遅くなってしまい恐縮なのですが,
神戸市にて茅葺き職人さんのお手伝いをしてきました。
時期は,12月17日~22日の一週間でした。

茅葺き民家がある場所は,国営明石公園の藍那地区,
これから公園の再整備が行われている工事現場です。
この民家は,近くから移築されてきたもので,
全国的に見てもかなり大きな茅葺き民家とのお話でした。


↑これから屋根に茅を葺く作業(葺き上げ)が行われる茅葺き民家

お手伝いのため現地に到着したのはまだ着工間もない頃で,
屋根は骨組みがほとんど丸見えの状態でした。
ここに,まずはヨシが葺かれていきます。


↑一番下にはヨシが葺かれます

ここで,簡単に茅について説明しておこうと思います。
茅葺き民家に使われる「茅」とは,屋根材料として使われる植物の総称で,
ススキ,ヨシ,イネ,ムギなどのほか,地域によってはササが使われます。

ヨシを葺いたあとは,イネわらを使って屋根の勾配を作ります。
そして,上から半分に切ったススキの穂先側,更に長いままのススキと葺いていき,
屋根に十分な勾配を作ることができます。この角度が屋根全体の角度になります。
この作業を,「軒付け」と言います。


↑イネわらは株が太く穂先が細いので,屋根の勾配に変化をつけるのに便利です

この先は,三種類の長さに切り揃えたヨシを中,短,長の順に葺いていきます。
この時,下端が揃うようにして乗せていきます。
お手伝いのメインは,この切り揃える作業と作業場所までの搬送作業でした。


↑写真では分かりにくいですが,中,短,長の順に置かれたところです


↑職人さんから大量に発注が入ると,切り揃え作業の現場はパニックになります

茅葺きの屋根は,上に上に材料を乗せていくことで屋根の厚みを作っていくので,
上にある材料の重みで下の材料が跳ね上がり,屋根の勾配が変わってしまいます。
このような事態を防ぐために,勾配を一定にする工夫が必要です。

そのため,ある程度茅が葺かれるたびに,茅に対して垂直に竹を置いて茅を押さえます。
この時,屋根裏にある柱や構造に藁縄や針金を掛けて表側で締めるのですが,
屋根が厚くなると,手だけでは裏側まで藁縄や針金を通すことができません。
そのため,「針受け」という作業を手伝うことになります。


↑職人さんが,表側から「針」というミシン針のような道具で針金を屋根に刺します


↑柱にかかった針金を,針先に戻して表側に引き戻します


↑最後に,押さえ竹をしっかり踏み固めて針金で固定します

押さえ竹を踏む作業は,屋根が揺れて民家が壊れるかと思うほどでした。
屋根の出来を決めてしまう大事な作業だということですね。

お手伝いはあっという間の一週間でしたが,貴重な体験ができて満足です。
作業は2月の初旬まで続くとのことですので,もう一度現場を訪れたいと思います。
体力勝負の激しい労働ではありましたが,茅が持つ温かさ,力強さに触れ,
ますます茅葺き民家への憧れを強くした一週間でした。


↑お手伝いをさせて頂いた作業現場の夜景


書き込み:榎本


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かや刈り体験イベント☆ [古民家]

こんにちは~4年の中澤まみです。
いよいよ卒論も発表まで2か月……(@_@;)
本腰を入れないと危険な時期に突入しました!!!
…頑張りマス。。。

ということで(!?),今回は12月9日に開催したかやの刈り取りイベントについての
報告をしたいと思います☆

みなさん,かやって何だか知っていますか?漢字で書くと茅。
茅葺き民家という言葉は聞いたことがあると思いますが,
その屋根の材料としてつかわれる材料の総称を`かや´と呼びます。
だから,一種類の植物を指すわけではないんです。

今回は上石津地域で一般的に使われているススキの刈り取りを行いました。


今回我々が挑むのはここ!(写真中央あたり)
今回のイベントは読んで字のごとく,ただひたすらすすきを刈り続けるというものなのです!
なので,いわばススキVS人間の持久力対決(ちょっと大袈裟か…)といったところです。


サァいよいよ決戦です☆人間チーム気合が入ってマス(笑)
この日はとても寒かったので,体を動かしたもん勝ち!!
みんな慣れない鎌に悪戦苦闘しながらも,ハイペースで刈り取っていきます。


よっこいしょ!!!

せっせ,せっせ……


あっという間に軽トラはかやでいっぱいになってしまいました。
その後この軽トラちゃんはフル稼働で,6往復(くらい…)すすきの運搬をしてくれました。

今回は午前10時頃~休憩・昼食の時間を挟み,午後3時頃にはすべてを刈り終えました!


いやぁ~すっきり!!!

そして,緑の村公園に戻って刈り取ったススキの保管作業です。


このようにススキの束を何重にも重ねていき,大きなタワーを作ります。
最後に全体をきつく縛り,中に水が入らないようにしたら完成です☆
これで2~3ヶ月乾燥させたのち,倉庫などにしまうそうです。



今回戦った勇者たちです☆
この日はとても寒く,屋外の作業にはキツイ天候でしたが,最後まで楽しんで作業をしてくれました。
また今度,来年の屋根の葺き替えイベントにも参加して,
自分たちで刈った茅がどんな姿になるのか見届けてもらいたいです☆

今回指導してくだっさた滋賀県の職人さんほか,このイベントを開催するにあたって
協力してくださった緑の村公園の方,大垣市の方,地元の方みなさんに
お礼が言いたい気持ちでいっぱいです。

~番外編~

実はこのイベントの次の日,私は再び上石津に来ました。
その日は地元の方がかや刈りをしていました。
さすが!刈り取るスピードが全然違う(+o+)
皆さんとても元気で気さくないい方ばかりでした☆


いや~んモテモテ(笑)

最近になってフィールドに出るのがとても楽しくなってきました。
でももう終わり・・・さみしいですが,今まで体験してきたことで自分にできる精一杯の卒論を書いて,
お世話になった方に堂々と見せれるようにする!これが今後の私の目標です。
そして,卒業しても人との出会いを大切に,また上石津の地を訪れたいと思います。

長々と失礼しました。読んでくださってありがとうございました。


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茅葺き民家~in大野町&揖斐川町~ [古民家]

4年の中澤です。
卒論もそろそろまとめの時期に入ってきて,気持ちだけ焦っている
今日この頃・・・(^^;)

今回は卒論の調査地である上石津を抜け出して,
大野町にある牧村家住宅と,揖斐川町の歴史民俗資料館内にある
茅葺き民家の調査に行ってきたので報告します!

まずは,大野町の牧村家住宅から☆


この牧村家住宅は昭和54年に国の重要文化財に指定された茅葺き民家です。
この家は1701ねん(元禄14年)に建てられたということなので,
実に300年以上たっていることになります。

かつては庄屋であったので,だいどころ(手前の板の間)が広い!!
写真を見てもらうと分かると思いますが,手前の間には仕切りがありません。
ここは鳥居建形式という珍しい建て方の家で,その名の通り神社の鳥居のような
軸組みになっています。(うまく写せてなくてごめんなさい・・・)

土間も広くて,敷地面積の半分近くを占めていました。
ここで農作業をしていたことがよく分かる造りでした。

畑で農作業をしていたこの家の方(隣には新しい家が建っていました)に話を聞くと,
昭和40年くらいまでは実際にこの茅葺き民家に住んでいたそうで,
いろいろ思い出話を聞かせてくださり,とても興味深い調査でした。

次に揖斐川町歴史民俗資料館の茅葺き民家について☆


実は,揖斐川町は私の出身地!!!
小学校の頃はよく遊びに行った思ひ出の地でもあります。

久々に行く歴史民俗資料館にテンションも上がる私(笑)
館長さんはじめ,事務所の方に温かく迎えられ,リラックスして調査に望むことができました。

この家は徳山村がダムに沈むことを受けて,昭和62年に移築されました。
いつ建てられたのかは定かではありませんが,建築技術から約200年前の家だろう
ということでした。

現在はそこで暮らしていた当時使われていた民具が展示してあるほか,
年1回ほど町内や隣町の学校の先生たちに古民家についての研修会を開いたり,
夏休みに小中学生を対象に,昔の暮らしの体験教室なども企画しているそうです。

この家は土間がとても小さく,お勝手をする場所と・ちょっとした農機具を置く
程度しかありません。
徳山村は山間地なので,馬や牛を使って農作業するほど広い土地がなく,
馬や牛を飼う習慣がなかったため,うまやがないということでした。

近い地域でも環境によって全然違う構造・・・さらに古民家に対して興味が湧きました。

違うといえばこんなところも・・・

ちなみに上石津の民家は・・・

何か気づきましたか?
実は徳山の民家は壁が板壁なのです!

これは寒い地方独特のもの。冬に寒くて雪の多い徳山村で土壁を使うと
寒さで凍ってしまい,すぐに劣化してしまいます。
その点,板壁は凍ることがなく,徳山の環境に適するということなのです!

いやぁ~昔の人の生活の知恵にはただただ脱帽です!!

これから卒論も佳境・・・悔いの残らない卒論に仕上げるために頑張ります!!
読んでくださってありがとうございました☆


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笹葺き民家 葺き替え作業 in 宮津市 [古民家]

院生の榎本です。
前回の記事に続き,再び茅葺き民家関連の活動報告です。

11月3日に,京都府宮津市の笹葺き民家を訪ね,
屋根の葺き替え作業に参加させていただきました。

屋根葺き材として使われる植物を総称して「茅」と言いますが,
茅に笹を使った民家が残るのは,全国でもここと石川県のみと推定され,
非常に貴重な民家であることのことです。


↑作業の様子。笹を使うと,屋根の雰囲気がススキとは随分変わります。

宮津市での活動は,立命館大学の学生グループと地元NPOの方々が中心となり,
立命館大学のボランティアグループや地元高校の学生などの協力のもと,
発足から4年の間,この民家の活用と地域の活性化について取り組んできました。

当日は,約80名の参加者があり,作業するスペースが足りないくらいでした。
しかし,民家脇に置かれた笹は,時間の経過とともに順調になくなり,
笹を切り揃えては屋根に運び上げる作業で手一杯でした。


↑葺き替え作業に使う笹。これを「押切」という道具で切り揃え,屋根に運び上げる。

地元に唯一残る笹葺きの職人さんは,83歳。
若者顔負けのパワフルさで,この高齢でも屋根に登って作業をされます。
手伝いに来た若い職人さんも,負けずに頑張ります。


↑屋根にとって最も重要な棟の作業。右が地元の職人さんです。

作業は翌日に持ち越されましたが,自分はここでタイムアップ。
名残惜しいですが,現地をあとにしました。
また,葺き替え作業後の様子を見に,現地を訪れたいと思います。
この日のもう一つの収穫は,日本一古い「純国産」の「石造り」狛犬とされる
籠(この)神社の狛犬を見ることができたことです。


書き込み:榎本


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農村あかり in 丹波市東芦田 [古民家]

院生の榎本です。
遅くなりましたが,先月20日の調査について報告します。
この日は,以前にも調査で訪れた丹波市青垣町東芦田地区で行われた
古民家を使った灯りイベントを見に行ってきました。

以前の調査では,まだ修復が終わっていなかった茅葺き屋根も綺麗になり,
しっかり雨風,そして雪を防げるようになっていました。
この日は,その古民家とその周辺でろうそくの灯りを点し,
幻想的な一夜を過ごしてもらうためのイベントが開催されました。


↑屋根の修復が完了した蘆田家。

お昼には,地元の方が搗いたお餅が振る舞われたり,
夜のイベントに向けて間接照明の制作体験が行われたり,
屋根の葺き替え作業を映像にまとめたものが上映されたりと,
これまでの地域での取り組みの集大成となりました。


↑制作体験の照明。スタッフの代理で制作させて頂きました。

夜のイベントでは,非常に多くの方が古民家を訪れていました。
趣味で写真を撮られている方や,大学で地域づくりの活動を行っているグループ,
スタッフのお知り合いなど様々な方が見学に来られました。
イベントは大盛況で,終了の9時頃まで,客足が途絶えませんでした。


↑古民家と蓮池。真っ暗な農村に,幻想的な灯りが点りました。


↑古民家から見下ろした広場と蓮池の様子。

今後も,地元の方を中心として古民家の活用を行っていくそうで,
これからの取り組みも非常に楽しみな地域です。
地域の人と外の人が,一つのイベントをきっかけに交流の場を作り,
新たな試みが行われている様子がよく伝わってきました。

これから年度末に向かって,上石津の取り組みも卒論としてまとめられますが,
来年度の活動に繋がるような一つの成果に繋がればと思います。

書き込み:榎本


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上石津 土間打ち体験イベント [古民家]

院生の榎本です。

去年の秋口あたりから色々と調整してきた上石津のイベントですが,
ようやく資料館の改修作業を体験するイベントの開催まで漕ぎ着けました。
白アリに足場をやられていた資料館の修復作業と平行して,
土間部分の改修作業を一般参加者も交えて行うことになりました。
イベントは,9月1日と2日の二日間に渡って行われました。

土間打ちイベントとは…
昔から古民家の土間を作る作業として知られる三和土(たたき)は,
土と石灰,にがりを加えて叩いて作ることからこう呼ばれています。
このようにして作られた土間は,必要に応じて新しいものに更新され,
古い土間は土壁など他の材料として再利用できます。
完全に自然に還る昔からの伝統的日本建築の技術を学び,
農村文化の一つを伝承してもらうことがこのイベントの目的です。


↑市役所の方と地元の業者さん,職人さんにイベントの説明をして頂きました

土間打ちの作業工程はおよそ三つに分けられます。

①土をふるいにかけて,粗い土と細かい土に分ける。
 粗い土は木ごてで叩き,細かい土は仕上げ用に分けておく。

②木ごてで叩いた土を石灰と混ぜながら,にがりを加えていく。
 くわなどを使って,均等に混ざるまでしっかり混ぜる。

③混ぜた土を土間打ち部分に均等にならし,木ごてで叩く。
 更に強く押し固めるために,タコという道具を使って叩く。
 一層目,二層目と叩き,仕上げの三層目を打って完成。
 仕上げの層は金ごてを使って凹凸がなくなるように仕上げる。


↑工程1 土をふるいにかける


↑工程1 土を木ごてで叩く


↑工程2 土,石灰,にがりを混ぜる


↑工程3 ならした土を木ごてで叩く


↑工程3 三人でタコを使って更に押し固める


↑工程3 金ごてを使って仕上げをする


↑完成した土間。右が二層目,左が三層目

その他にも,資料館の外装を防腐剤入り塗料(自然成分由来)で塗装したり,
資料館の活用体験として,かまどでご飯を作り宿泊もしました。

非常に体力を使うハードな体験イベントではありましたが,
参加された皆さんも職人さんも笑顔いっぱいの楽しい二日間でした。
作業中は,昔の生活の様子や民家の建て方,地元の方の昔話など,
普段はなかなか聞けないお話をたくさん聞くことができました。
二日間のイベントは,地元の方なくしては成功しなかったものです。
地元の職人さん,行政関係者のみなさん,本当にありがとうございました!
そして,また素敵なイベントを企画したいと思います。


書き込み:榎本


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足助調査報告 [古民家]

4年の中澤まみです。続いて8月8日に行ってきた足助の調査について報告します。

足助と言えば秋の紅葉で知られる香嵐渓が有名ですが,そのほかの季節にも
さまざまなイベントを企画している地域です。
ちょうど今の時期はたんころりんというイベントが開催されていて,
とてもきれいでした!!!
たんころりんについての報告はまたのちほど,まずは三州足助屋敷についての
報告をしたいと思います。


↑母屋

三州足助屋敷は,明治時代の足助地方の豪農邸をモデルに昭和55年(1980年)に
新築し,消えつつある機織り,炭焼き,紙漉きなどの手仕事を復活・再現し,
将来に伝えていこうとする施設です。
新築とはいえ,茅葺きの母屋は何百年も建っているかのように本格的で,
説明を聞かなかったら古民家だと思ってしまうほどです。
壁のすすも,黒色に塗ったのではなく,毎日いろりに火をくべていて,
自然にすすの色がついたそうです。


↑手前から,鍛冶屋・炭焼き・紙漉き小屋


↑工人館(この時期はうちわ作り体験が催されていました。)

私たちが行ったときにはかご屋,傘屋,桶屋,の実演が行われていて,
その姿はまさに職人の風格,貴重なものを見ることができました。
ここで作業している方は地元の方で,とても気さくな方ばかりで,
自分の住む地域で誇りを持って働いている,そんな印象を受けました。

さて,足助屋敷を出て,たんころりんの会場となる足助の町中へ。
たんころりんというのは江戸時代に使われた陶器の灯火器「ヒョウソク」の
俗称で,そこにムツメ籠と呼ばれるものを被せた灯りです。


↑ヒョウソク(左)とムツメ籠

足助の町の中は,宿場町ということもあってか,昔の町並みを
保存しようとする動きが昔からあり,今でも古い建物が多く残されていました。
また,自然豊かなところで,とても住みやすそうな印象を受けました。


↑マンリン書店


↑マンリン小路


↑中橋より(この景色が一番のお気に入りです!)


↑足助の町並み

明るいときでも十分風情のある町並みですが,夕暮れ時,
たんころりんに火がともされると,本当に美しい夏の光景が広がります。


↑たんころりんの町並み


↑マンリン書店前のたんころりん

私のカメラでは暗がりでは全くきれいに撮れず,お見せできる写真は
せいぜいこの程度のものですが・・・(涙)
本当にきれいだったので,少しでも興味を持った方は是非足助の
ホームページでたんころりんの様子を見てください!!!

このイベントは8月のはじめの2週間ほどしかやっていませんが,
町の中で三味線やフォークソングの演奏などもやっていたり,花火大会もあるので,
デートにはもってこいですよ(笑)
浴衣姿の女性が町並みにとけ込んでとてもきれいだったので,
またいつか,今度は浴衣を着て散策してみたいです☆

行政の方ともお話をして,この地域は古くから観光名所になっていたせいか,
たんころりんや中馬のおひなさま(3月のイベント)など,新しい企画を
行うことに積極的に参加してくれると言っていました。
たんころりんも自分の家の軒下に置くものは自分たちで作っているのです!

私もこれから本格的に上石津で研究をしていくにあたって,住民の参加ということが
一番ネックになると思っているので,別の地域の話が聞けて参考になりました。

その地域にしかないオリジナルなもの・その地域だからできること
何より,その地域の方が誇りをもてるまちづくり・・・
1年では難しいと思いますが,そのきっかけ作りに貢献できたらいい,
そんな卒論になるように頑張りたいと思います。中澤でした。


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下呂調査報告 [古民家]

4年の中澤まみです。遅くなりましたが,下呂と足助に調査に行ってきたので,
その報告をしたいと思います。

まずは7月31日,下呂の合掌村の調査について。
合掌村は,合掌の里・民芸の郷・ふるさとの杜の3つのゾーンに分かれており,
今回の調査は主に合掌の里を見て回りました。

ここには国指定重要文化財の旧大戸家住宅が移築されているほか,
実際に住んでいた住宅を移築し,民俗資料館やお食事処として活用しています。

これらの民家はすべて白川郷から移築したもので,白川村まで行かずとも
合掌造りの家が拝見できる施設です。


↑旧大戸家住宅


↑民俗資料館(旧岩崎家)


↑お食事処 合掌茶屋(旧伊並家)

大戸家では当時の生活の様子が分かるように,各部屋ごとに説明がされていて,
昔の家の様式が分からない人でも理解できるようになっていました。

資料によると,この大戸家は天保4年(1833年)~弘化3年(1846年)の
13年をかけて建設されました。
釘やかすがいを全く使わず,素縄やネソという木材で組み立てられているそうです。
また,合掌造りは平家の落ち武者が白川郷に住み着き,編み出した建築方法
ということも初めて知りました。

民俗資料館と大戸家住宅は2階に上がれるようになっていて,実際に
上がってみましたが,驚くのはその階段の傾斜!!
現在の階段と比べものにならないくらい急な階段で,上るのも下りるのも
高所恐怖症の私にとっては足のすくむ思いでした。
こんな階段を使って昔の人は蚕の世話をしたりしていたと思うと・・・脱帽です。

全体の様子は広くてうまく撮れませんでしたが,夏の太陽でキラキラ輝く緑と,
茅葺きの屋根はとても美しく,いつまでも眺めていたいと思いました。

実は民芸の郷ゾーンには狛犬博物館という施設があったのですが,
ここは榎本先輩の得意分野なので,私からの報告は省略します。(笑)

・・・長くなってしまったので,足助の報告はまた後日。中澤でした。


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